日経12/27朝刊の「私見卓見」への大西伸和氏の投稿記事です。
皆さんにも読んで欲しく、要旨を載せます。
「私は50歳で週4回、中華レストランのアルバイトとして働いている。
給料のもらえる仕事を続けられるようになったのは4年前のこと。
大学を卒業してすぐに就職した会社を23歳で辞め、自宅に引きこもるようになった。
どのように脱出したか。同じ立場にある人やその家族、関係者に伝えたい。
まず私にとって幸いだったのは父母と同居できたことだ。
(中略)通院や入院を経て出会った引きこもりの支援グループの会合で「まずは皿洗いをしてみなさい」と教えられた。
引きこもりの最初の2年ほどは寝たきりだったが、家事が脱出に向けた第一歩だった。
次は社会との接点だが、私の場合は散歩だった。
外に出るまではつらかったけれど、長い距離を歩くと憂鬱な気分が吹き飛ぶ。
外で働いていくための体力もつく。
買い物も大切だ。
(中略)コンビニなどで百円単位でもいいから、店員と顔を合わせて買い物するのは大切だ。
引きこもっていると人との接点を持つのに尻込みしてしまう。
買い物は人に慣れる訓練の第一歩だ。
そしてボランティアに歩み出せたのが数年前のこと。
私は地域の植物園で週1回、草木の手入れをする仕事を選んだ。
(中略)このボランティアを1年以上こなせたのは大きな自信になった。
家事や買い物ができるようになったらぜひ試してほしい。
就労へもってこいの練習となる。
アルバイトは短期の郵便小包の仕分けから始めた。
次は期間限定の自動車工場、その次は回転ずしでの接客。
一つずつ階段を上がり、今の中華レストランで定期的な接客の仕事に就いたのは1年ほど前のことだ。
つらい日々を経ただけに自分も家族も「信じられない」という思いを抱いている。
人の役に立てるという達成感は得がたい。
小さな勇気、根気、元気を積み重ねていきたい。」
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