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'20/6/2 トランプ大統領の致命的な能力不足

全米各地で抗議デモが暴動に発展している。

白人警官による黒人男性暴行殺人が発端だが、トランプ大統領のコメントが軍隊による制圧を示唆して暴動を煽っている。

トランプ氏が大統領に就任してからずっと違和感を感じていたが、それが何か明白になった。

一国の指導者には「哲学」が必要だという事だ。

彼には深い思索に裏打ちされた理想や道徳が無く、損得勘定で全てを判断し行動している様に思える。

米国が多くの矛盾を抱えながらも合衆国としての体裁を維持し世界のリーダーだったのは、独立宣言に代表される理想があり、それを常に意識させる指導者が存在したからだ。

拳銃所持に象徴される暴力行使の対立をかろうじて抑制してきたのは、武力による権力行使では無い。

常にリーダーの理想を語る言葉の力だった。

高い理想に支えられた言葉の力により国民は暴力行使による対立を思いとどまったのだ。

残念ながらトランプ大統領のツイートの頻度から判断すると、本も読まず深い思索の時間を持っていない様に思える。

普段の言動も理想を語るにはあまりにも説得力を持たない。

米国の不幸は世界の不幸でもある。彼が大統領選挙で再選されない事を祈るのみだ。